201411月16日

【株価が下がったら、貰える年金も減る??】

GPIF改革、日本株「20%半ば」へ最終調整=政府筋
「皆さんから預かった年金で、もっと株を買います!」
そんな方針転換が先月末にされました。
大きなニュースですが、解散風で注目されず。
大事な話ですので、是非皆さんにも知ってもらいたい。
サラッと読めるように簡潔に書きます。

皆さんから預かった年金は、国で運用しています。
古い言葉で言うと「財テク」。
その運用額、125兆円。
(お!凄い額あるじゃん!年金安心!と思った方、不正解です。このお金、毎年減少傾向にあり、もう15年ぐらいで無くなるとの試算もあります)

さて、その運用はどうしてるかというと、
大損しないように、
全運用の60%は「日本国債」で運用しています。
日本国債は日本そのものの信用なので、利益も少ないですが安心です。
その反面、
得も損も大きい株や外国債は30%程度に抑えられています。
比較的堅実な運用です。皆さんの将来生活を保障する年金ですから当然かもしれません。
(アメリカは全額、国債運用とのこと)
儲けより、安心を基本としています。

この運用方針が変わりました。
どのように変わったか。
堅実な「日本国債」の割合を約半減して35%、得も損も大きい「株」の割合を倍増して25%に増やしました。
おまけに海外株も倍増で25%、外国債の割合も増加させるので、全体の65%を株式等で運用するハイリスクハイリターンの勝負運用に変わりました。
当然、儲かるときも、損する時も、相当大きな幅になります。
今までとは逆の、安心より、儲けを基本としています。

皆さん、どう思われますか。
儲かったらいいのですが、もし、大損したら。。。。
まだ堅実運用だった平成20年、麻生総理の時でしょうか、いわゆるリーマンショックが起きました。まだ株式運用の割合は小さかった当時ですら10兆円近い年金資金が一瞬で消えてなくなりました。
今度また、リーマンショックのような出来事が起きない保証はありません。

年金資金が株式運用の大損で足りなくなったら。。。。
そこに待っているのは、納める年金額をあげるか、貰える年金額を減らす以外に道はありません。

アベノミクスは成功している!とする政府が、象徴としているのが株価です。
その株価を高くする為に、この年金資金の追加投入が決定されたと見る人もいます。
先月末の日銀追加金融緩和との関係を指摘する人もいます。

色々な理由と思惑はあるでしょうが、
私達が必死に納めている年金資金が、外国人投資家が漂う株式市場に大量投入されることで、大きなリスクに晒されていることだけは紛れも無い事実です。

もし株式運用の比率を高めた事によって大損をした場合、責任を取ってくれる人もいなければ、
責任をとってもらったところで失った年金資金は戻ってきません。

安倍総理の行う経済対策に、私達はどこまで我慢し危険に晒されなければならないのでしょうか。
選挙において、政府の説明が求められると思います。

あ、ひとつ言い忘れました。これは民間の年金についての変更で、公務員の年金は引き続き国債中心の運用です。

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