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  • 【安倍総理辞任と、私の今後】

    2020/09/02

    安倍総理が辞任する意向を示されました。

     

    自身の健康面での不調が理由とのこと。
    8年近い安倍政権の功罪につき、色々な議論はあると思いますが、総理という激務を8年近く続けられたことに、まずは敬意を表したいと思います。

     

    功罪をすべて語るには、史上最長の政権だけに簡単には言えませんが、この政権が、政権運営に非常に長けたものであったことは、紛れもない事実。

    安倍総理は、私の議員生活の中でのべ8人目の総理大臣でしたが、群を抜いて政権運営に長けていました。
    党内の統治ができず、最後には分解するかのように政権の座から転落した直前の民主党政権に比べれば、政権の安定感は揺るぎないものでした。

     

    安倍政権の成果として外交面を挙げられる方が多いですが、私も同意します。
    小泉政権以降の自民党政権、民主党政権の6年間は、第一次安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田と一年おきに総理が交代していました。それは内政で成果を残せても、外交面ではほとんど成果を残すことはできていません。

    外交と言っても、詰まるところは首脳同士の人間関係に依拠するところが大きく、長期政権で丹念に人間関係を築き上げていくことは大きな国益となります。私も外務委員会の責任者の一人として与党議員と共に幾度となく海外を訪問しましたが、長期政権ゆえの地道な外交関係の熟成が確実に進んでいると実感しました。
    これは、一目でわかるような成果とは言えないかもしれませんが、だからこそ一朝一夕に果たせるものではなく、この外交面での地盤づくりは大きな成果だったと思います。

    ただ、北方領土交渉に関しては、今までの歴代政権が少しずつ積み上げてきた四島一括返還路線を、二島先行返還路線に切り替えただけで政権を終えてしまい、後世に大きな課題を残しました。

     

     

    功罪の、罪について。
    これも、長期政権と安倍一強から生まれています。
    人事、議会対策、党内掌握、与党間調整、そして、選挙戦略。
    その結果、生み出された政権は「安倍一強」というフレーズの通り、いつしか重要事項の大半が官邸で、さらに言えば数人で決められる体制となっていました。
    そしてそこから、問題が生まれます。

     

    その中心的なものは、森友、加計問題や桜を見る会に見られる身内びいきと、それを背景とした官僚の忖度、そして、その結果としての公文書の改ざんです。

     

    「権力は腐敗する」という通念があるとおり、これらは長期政権の腐敗面を如実に表したものでしょう。
    総理が意図したものであれ、なかったものであれ、権力が長期化し、おごりを見せたときに、国民には到底理解できないような権力行使が湧いて出てきます。

    総理と近ければ、行政の認可がおりるのではないか、公費を私的に賄ってもらえるのではないか、また逆に意に沿わないことをしてしまえば冷遇されるのではないか、そのような疑念が生まれ、政治家も省庁も国民ではなく官邸の主人の意向ばかりを伺うようになりました。

     

    「書類はない」
    「記憶はない」
    「シュレッダーにかけた」
    にわかに信じられない発言が、政府側から繰り返しされていたあの状況は、時がたった今でも異常に思えてなりません。
    国民の皆さんから託された権限と税金が、本当に適正に行使されていたのか、その疑問が拭えないまま時は過ぎ、そしてそれを後刻検証する公文書もおよそ不十分な形で長期政権は幕を閉じます。
    この政権の罪は、政権が変わることだけで看過して良いものでは決してありません。

     

    親しい記者の言葉を借りれば、他の内閣ならその一つだけで潰れてもおかしくないような不正や疑惑が続くという異常事態が常態化したことにより、国民も報道も政治家すらもそれに慣らされてしまいました。

     

    それらのことを振り返りつつ、私の今後についてお話しします。

     

    「国民はどうせ忘れますから」。

    この言葉は、安保法制の採決を控え、その強引さを懸念した私に対する政府中枢の方の言葉。

     

    その後、強行採決が行われ、政権支持率は大きく下落したが、後ほど、何事もなかったように回復をしました。

    これは、政府中枢の方の言葉の通り、国民は「忘れた」のではなく、むしろ国民は「とはいえ、代わりがいない」と消極的に支持に回ったのだと思います。事実、その後の世論調査でも、政権支持理由の「代わりがいない」「他の政権よりましだから」という項目が上昇しています。

     

    それでも、同じように「国民は忘れる」と政権が誤解したかのような所業が繰り返されても、支持率の下落もないことから、一層何をしても良いという、まさしく「長期政権のおごり」を招きました。

    この長期政権のおごりを生み出した最大の原因は、ひとえに政府を監視する「国会」に緊張感がないことであり、その国会に緊張感を生み出せなかった唯一の理由は野党の弱さだと考えています。

    いくら声高に政府の不正を指摘しても、どうせ野党は選挙で勝てないだろう、政権を担えないだろう、とのらりくらりとかわされました。

     

    この度、立憲民主党と国民民主党が合流して新党を結成します。
    新党とはいえ、両党を構成する多くは元々民進党、民主党で共に働いていた仲間同士です。
    紆余曲折ありながら、ようやく一つにまとまっていくことになりました。
    そこで、両党に属さない無所属の仲間とともに、私はこの合流に参加します。

     

    無所属で活動したこの2年強の間、最近のコロナ対策を含め、今まで培った人脈等を活かし、無所属であっても国会議員としての役割を果たすことができたとの自負はあります。これからも、無所属のままで活動を続けようと考えることもありました。

     

    ただ、安倍総理が辞任し、その功罪を振り返るなかで、野党の弱さ故に緊張感とバランスを欠いた国会が、如何に政権のおごりを招き、結果として国民の利益を損ねたか、野党議員として痛切に反省しました。

    国会に緊張感をもたらすこと、加えて、政権が失敗したときに代わりうるもう一つの選択肢を用意することは、野党議員の務めです。
    その務めを少しでも果たせるよう、合流することと致しました。

     

    ことさら、新党と喧伝するつもりはありません。
    失われた期待感を謙虚に受け止め、担わなければならない役割を一つずつ果たしていけるよう努力していきたいと思います。

     

     

    9月2日
    寺田学

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