202307月07日

【天災か、それとも人災か】

ここ10年ほど友人として親しくお付き合いさせてもらっているYahoo! JAPAN社長の小澤さんの発案で、小澤さんのお仲間の若手経営者ら約30名ほどの皆さんに、12年前の東日本大震災時に発生した福島第一原発事故とその後のことをお話しする機会を頂きました。

きっかけは、Netflixにて公開されている「THE DAYS」という第一原発の事故後数日を扱った連続ドラマで、ここに私を想定していると思われる総理補佐官役の方が登場していること。ドラマで描かれているところの実際がどうだったのか、どこが脚色されていて、どこがリアルだったのか聞きたいと言われたことでした。小澤さんに賛同して話を聞きたいという方に平日の夜にも関わらず多数いらして頂きました。

小澤さんとは、家族ぐるみで別荘に遊びに行かせてもらったり、秋田に渓流釣りに来たいというので釣り好きな後輩を紹介して案内してもらったりという主に仕事以外のところで親しくさせてもらっているのですが、以前から、「若くして震災対応をした経験をこれからも政治の世界で生かすべきだ」と、個人的に熱烈に応援を頂いています。

ドラマのコピーである「これは天災か、それとも人災か」との問いに私なりに答えるとするならば、もちろん、地震と津波は天災そのものであったけれども、その結果として引き起こされた原発事故は人災であったということ。これは、この事故対応を指すのではなく、そもそもあの規模の地震と津波を想定せず、しっかりと備える体制を整えずに原発を稼働させ、国策として推進してきたこと、それを外部機関も国も管理監督しきれていなかったこと。このことがあの事故を人災だと考える理由です。

「日本にこんなに原発がたくさんできていたなんて知らなかった。子育てに夢中になっている間にたくさん作られていた。自分たちの無関心があんな事故を生んで、ひどい人災。反省している」というのは、震災後の義理の母の言葉。
天災に付随して起こった原発事故は、長年の私たち一人ひとりの選択(積極的なものも、無関心でいるという消極的なものも含めて)の結果として受け取った人災であるということを認識し、あの日、首都・東京を含め、秋田から横須賀までの広い範囲の東日本に人が住めなくなってしまうかもしれない、日本が終わってしまうかもしれないと感じたあの背負いきれぬ重さを時の総理の間近で経験した者として、これからも経験を語り継いでいきたいと思います。

追記
この2日後、札幌でも同様の趣旨のお話をさせてもらいました。
両会場に来てくださった多くの皆さんに感謝申し上げます。

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