202102月28日

【二つの排除、音楽と性風俗業】

先日、予算委員会分科会にて質疑にたちました。
それは、二つの排除を正すため。

コロナ禍となって早一年を迎えます。
さまざまな支援策が政府から繰り出され、不十分なりにも多少のサポートがされた個人や企業も多いと思います。それでも絶えず改善を求める声が方々からあがり、その対処も急いでおります。
ただ、そもそもとして支援の対象にすらなっていない業界が多数あります。
そのうちの二つを取り上げました。

一つ目は、音楽業界における洋楽のプロモーターについての排除。
音楽や、ライブを愛する私にとって看過できるものではありませんでした。

経産省はライブやコンサートを通じて、観光客を日本に招くことや、それらを海外に宣伝し日本文化を広めることを目的に多額の補助金を用意しています。しかし、こららの補助金の受給条件には、演奏される曲目の作詞作曲の半数が日本人であることを求めたり、フェスに参加するアーティストの半数が日本人であることが必要となっています。
その結果、海外のアーティストを招いて日本でコンサートやフェスを行う洋楽のプロモーターが、それらの条件により、政府が用意した補助金の対象から除外され窮地に立たされています。
(詳しくは以下の記事をご参照下さい)
https://withnews.jp/article/f0210224001qq000000000000000W0bs10501qq000022561A?fbclid=IwAR1fy_yGP2fJ94Z0sKd78hBQM2dQzqsbtpT5JVYqSeVzTUKExcIGTbT9yrU

政府は、洋楽のプロモーターが企画する日本で行われる数々のフェス、代表的にはフジロック、サマーソニックや、コールドプレイなど世界的に有名なアーティストの来日ライブが、そのライブ見たさに、どれ程の観光客を日本に呼び寄せ、そしてその様子が海外に宣伝されることによって、日本の魅力発信に如何に貢献しているかを理解していません。
この制度設計に携わった人がどのような方かはわかりませんが、音楽の持つ力を、あまりにも過小評価しています。
私も毎年足を運ぶフジロックには、観客として多くの外国人が泊まりがけで日本に訪れています。海外のライブにいくために、貯金をし、休みを調整し、それを生きがいに人生を暮らす方々の実態をわかっていません。

国会質疑に「フジロック」「サマソニ」「コーチェラ」「トゥモローランド」「レイジ」「コールドプレイ」等の言葉が踊る異例の質疑ではありましたが、大臣も問題意識を共有して頂き、早速来週から改善の協議を始めることとなりました。

 

もう一つは、コロナ支援策からラブホテルなどの性風俗業者を排除している件です。

この件は、昨年から引き続き取り組んでいるもので、なかなか改善が実現していません。政府は持続化給付金をはじめ、様々なコロナ支援策から性風俗業者だけ除外しており、ラブホテルなどを営む業者から「国の指示の通り事業登録をし、しっかり納税もしているのに、なぜ我々だけは除外されるのか」と悲痛な声が寄せられていました。

実はこの件、昨年の五月に当時の菅官房長官に直接お願いし、これまた当時も所管大臣だった梶山大臣の了解も得て、政府として除外解除の方向に進む予定のものでした。しかし、その後、与党の審査段階である有力議員らの反対にあい、頓挫し今に至ります。
そのため、結果的に除外が続く状態にあるものの、大臣として理解が全くないわけではありません。

質疑の中で私が申し上げたのは、昨年改善に努力してくれた菅長官(当時)の言葉です。
与党の反対にあい、助成範囲の拡大を断念した際に私に絞り出すように発した言葉は、
「人それぞれ、一生懸命生きているその生活を(対象拡大に反対した人は)想像できなかったんだろうな」というものでした。

私は、そこに全てが詰まっていると考えています。

表層的な先入観、偏見を捨て、その生活の実態を見つめ、懸命に働き、そして事業をしている人達の立場に立って物事を判断すべきと考えます。
国や自治体の指導に従い届出をし、納税義務を果たしている業者の方には、差別することなく政府としての支援を行うべきです。

大臣には「昨年は、政府はまとめられたが与党の中での反対で頓挫したが、いま、当時の長官が自民党総裁になった。是非もう一度、自民党総裁となった菅総理と本件協議して欲しい」とお願いしました。
大臣は答弁書も持たず「私自身の行動をします」と答弁してくださり、総理動静によると、当日のうちに大臣は総理と面会をしてくださっていました。

実際に要望が実現していくよう、今後もしっかり働きかけていきたいと考えています。

質疑後、このようなメールをもらいました。
昨年春に「ラブホテル業にも持続化給付金を」とのお願いを100人以上の議員送っても無視されて、私に辿り着いた方からのものです。

「本日の国会の質疑を拝見しました。母と二人で感動で涙しています。本当に感謝いたします。
いまだに公的支援が受けられないことは残念でなりませんが、寺田議員の質疑に大変励まされました。
実は、守り抜いたホテルの経営を続けることが心身ともに困難になり、経営を譲渡することになりました。このようなかたちになったことは、必然だったと思っています。ホテルを廃墟にはしたくないという思いは叶えることができました。そしてホテル業に携わっていくこともできそうです。
これからも職業差別のない国になるようにお力をよろしくお願いいたします」。

このメールを読んだ時の申し訳なさを決して忘れず、今後も努力して参ります。

 

質疑は以下からご覧頂けます。
一部編集されたもの
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1365271634806906884?s=20

全編
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51570&media_type&fbclid=IwAR02F75P3J9Qk9wye__FyBM3nkPQc_OgoKsLWQr8GuSXtsD1mtjSqV237ZQ

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