202305月01日

【入管法について】


先週金曜、入管法改正案が委員会で採決されました。
ほぼ原案の通り通過したことは痛恨の極みです。
採決が合意下で行われなかったこともあり、附帯決議すら残すことができませんでした。
完敗です。

党内外に廃案を目指す声があるのは承知していましたが、2年前と違い、維新の会の議員数も増え、その維新の会が法案を通すことに以前より遥かに積極的になった環境においては、廃案を実現することは、冷静に考えれば不可能に近いと誰しも承知のことと思います。だからこそ、年明けからの4ヶ月余り、私自身の時間のほぼ全てをかけて支援団体の方や難民法の専門家など多くの方々のお話に耳を傾け、教えを乞い、膨大な資料を読み込んだ上で、少しでも改善できるよう、党の了解のもとで修正協議に臨みました。

今回の修正協議は、助けを求める子供とその親を確実に救え、(改正案に盛り込まれた)入管の強大な裁量を抑える法文修正でした。それ以外にも、収容者の医療的配慮義務も課され、第三者機関の設置の足掛かりも引き寄せたものでした。
それを、朝日新聞が先日の社説にて「わずかな修正」と表現したことは、余りに不勉強だと思います。
それでも、百歩譲って「わずかな修正」であったとしても、その「わずかな修正」によって在留資格を与えられたり、将来、入管の裁量を逃れて助けられた「わずかな人」が存在したであろうことも事実です。
我々野党、特に立憲民主党は、政府与党の大きな声にかき消されて、届くことが叶わない小さな声を拾うことが役割なのだと認識しています。そして、こうした声に寄り添い、例え小さくとも、僅かであろうとも、大切な立場と命を、共に寄り添って守っていくことが党是であると思っています。
その意味において、私自身、今回の党の決定にはとても複雑な思いを抱いているのは事実です。
廃案が現実的ではない中で、「一貫性」を守ることや、党の対案を共に作った支援者への配慮を優先したことが、果たして誰を救い、何を防ぐのか、自分の中で時間をかけて考え抜いていく必要があると覚悟しています。

もちろん、党の決定とはいえ、自らの責任でもあります。
今回の我々の判断によって、助けられたはずの人が助からないことへの想いや、入管に過大な裁量を残したことによって生まれうる、無辜の人が迫害を受ける苦しみも、私自身の責任としてずっと背負っていきたいと思います。

これから議論の場は参議院に移っていきます。
堂々と我々の対案を示し、あるべき姿を徹底的に議論した上で、私たちの努力と判断によって、誰かを救える結果となることを本心から願っています。

寺田学

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